《風俗ガイド》もし予約をしていたら確認を怠らないでブログ:07月25日
あたしは、農家の三女として生まれた。
親はさぞかし男の子を期待していたことだろう。
農家の嫁でありながら、男の子を産めなかった母親。
あたしが、もし男だったなら、
母親にはもう少し明るい人生があったかもしれない…
物心ついた頃から、あたしは祖母のそばにいた。
祖母はいつも母親の悪口を言っていた。
幼い頃から聞かされていたので、あたしも母親がきらいだった。
汚い、臭い、気がきかない…そういった言葉だった。
あたしが小学生の時、学校からの帰り道、
今にもあめが降り出しそうな午後だった。
遠くに人影が見えた時、嫌な予感がした。
だんだん近づいて来る…
やはり母親だった。
「わあい、お母さんだ」
喜んでかけ寄り、かさを受け取る…
それが普通の子どもの姿だろう。
「はい、かさ!」
あたしは、無言で母親からかさを受け取った。
母親は、姉たちのかさも用意していて
あたしとは反対の方向の学校へ向かっていった。
そのことがあたしにはせめてもの救いだった。
母親と並んで歩いて帰るなど、ぜったいに嫌だったのだ。
「今の人、お母さん?」
友人が聞く。
「うん」
あたしは、それ以上何も言いたくなかった。
もんぺ姿の母親を友人に見られたことが、
ずっしりと重くのしかかっていた。
母親はいつももんぺをはいて、汚ない格好をしていた。
母親はおしゃれな服など一枚も持っていなかった。
服を買うためのお金がないことも、
あたしは子どもながらに知っていた。
あたしが目覚めた時、母親はすでにもんぺ姿である。
あたしが眠りにつく時、母親はまだもんぺ姿である。
もしかしたら、寝る時も、
もんぺをはいているのではないかと疑ったこともある。
母親のもんぺは、赤い模様があったが、
色あせて疲れているようだった。